トップページ > 過去ログ > 記事閲覧
ハーレムバスタード  第五章 ゴットリープの女帝 C
日時: 2022/11/12 13:53
名前:

「エルヴィーラ家はどう思うでしょうか」

懸念を表すバイバルス家当主。それに対し得たりな笑みを浮かべるゴットリープの女帝。

(これだよ。あたしの子供たちでこういう所のあるのはこの子だけだ。だからこそあたしはこの子を後継に選んだ。単にクレメンスの子で最年長だから選んだわけじゃない。あたしの次はあたし以上なルキオラが相方になるだろうが。それもそれで良いコンビになるだろうさ)

その心中をおくびにも出さず、回答するルドヴィカ。

「そりゃ最初は驚くだろう。あるいは、いや確実に怒るだろうね。しかし少し落ち着いて考えればエルヴィーラにとっても悪い話でないのは分かるはずさ。あっちの女主人もなかなかにバカじゃないって話だし。そこで本当に組めるかどうかも分かるしね」

「…」

「このゴットリープを統べるバイバルス家。そして西方四家の核に位置するエルヴィーラ家が繋がれるんだ。それもバージゼル家を中継にしてね。余程のバカでないなら、この事の意味の大きさに気付くはずさ」

「バージゼル家? レナス家ではないのですか?」

「良く気付いたね。そう。レナス家などもう問題じゃない。狙い目はむしろバージゼル家としての括りさ。連中自身、特にあの御気楽な三アマがそれに気付いてるかどうかは知らないけどね」

「問題でない? レナス家がですか?」

「あの家の後継ぎは一体誰だい?」

「それは…クリエートでは?」

「それは本家だけの話だ。西方四家の一つとしてのね。あたしが言ってるのは一族全体を統べるのは誰だって事だよ」

「それは…」

「そう。ネメシスだ。あれが素直に弟に従うと思うかい」

「…」

母の言う事は歴然だ。間違いなく自分の弟妹たちの事も暗示している。

「あのメロディアのガキどもの事を知ってるだろ。あの能天気女がくたばった後の山麓朝がどれだけ滅茶苦茶になり、このゴットリープやバイバルス家にもどれだけの迷惑が及んだ事か」

「…」

「偉大なる我が祖母ルイシュカ様があそこで踏んばらなかったら、山麓朝なんか、あの容赦の無いギルディーンに思い切り滅ぼされていただろうさ。そして同じく恨みを買っていた、このバイバルス家もね」

「…」

「あるいはラルフィントの国民にとっちゃそっちの方が良かっただろうさ。たがこっちだって生き延びなきゃならないからね。誰だってそうだろ?」

「…」

Page: 1 |

Re: ハーレムバスタード  第五章 ゴットリープの女帝 C ( No.1 )
日時: 2022/11/12 05:52
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

おお、そう来ましたか! これは陣さんワールド全開ですね! バージゼルの後継者問題は、陣さんならではでは解釈。確かにネメシスがクリエートの風下に立つかどうかはわかりませんもんね。容赦のないギルディーンという表現もいいですね。ルイシュカのことも気になります。女傑の血筋なんですね。
Re: ハーレムバスタード  第五章 ゴットリープの女帝 C ( No.2 )
日時: 2022/11/12 11:06
名前:

どう考えても大波乱があったに違いない、メロディア後。

その同時期にあのギルディーンが重なってるとなると、山麓朝側に余程強力な味方がいなければ説明が付かないというのが発想の原点ですね。

そしてこれがバイバルス家の女系優先と「ゴットリープの女帝」誕生の契機にもなるって感じでしょうか。

構想がまとまれば、あるいは次はその時期もやってみたいですね。

そうなればタイトルは「ゴッドマザー」とでもなるか。

Page: 1 |