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バスタードIF もし娘が母に質問したら
日時: 2022/11/10 21:08
名前:

ルシタニア「御母様」

ルドヴィカ「おや。ちょうど良かった。さっきルキオラが来てたよ。自分の父親を殺した、あたしみたいになりたいってさ。頼もしいというか。末恐ろしい子だよねえ」

ルシタニア「御母様。お惚けにならないでください。今はルキオラではなく、ルキエラの事です」

ルドヴィカ「おや。お前があの子の心配かい」

ルシタニア「当然でしょう。あの子は私にとって、そしてルキオラにとっても大事な妹です」

ルドヴィカ「そしてルキオラにとっては叔母でもあるわよねえ」

ルシタニア「おふざけにならないでください! 今どこです!? ルキエラは!」

ルドヴィカ「安心おし。あれはあれでテルモピライ家の後継娘だ。さっきルシアラが引き取りに来たよ」

ルシタニア「あ、ありがとうございます…」

ルドヴィカ「それにしても驚いたよねえ。あたしに歯向かった子供たちは数多い。いや今回で、間違いなくクレメンスの娘の、お前とルシアラ以外の全部になるわけか」

ルシタニア「ルシアラは知りませんが。私が御母様に従っているのはただ。私では御母様には勝てない。それだけです」

ルドヴィカ「それでよい。確かにお前はバイバルス家の当主としてはもう既に間違いなく有能だ。だがゴットリープの『女帝』としてはまだまだ十分じゃない」

ルシタニア「…」

ルドヴィカ「そしてお前の異父の弟妹たちはそこが分かってなかった。あたしがお前たちの祖母、あたしの母に取って代わった事を安易に誤解してね」

ルシタニア「…」

ルドヴィカ「それに一番許せなかったのは。あれだけ多くの者を巻き込んでおきながら、いざとなれば母のあたしに赦して貰えるなどと高を括って甘えていた事だ。あたしだって、出来れば腹を痛めた子供たちの処罰なんてしたくない。世間体だって悪いしね」

ルシタニア「…」

ルドヴィカ「それを考えれば。直接に刃を持って、あたしに一人で突っ込んできたのはあれが初めてだ。大胆というか軽率というか。やれやれ。どっちに似たんだろうねえ」

ルシタニア「やはり。自分の本当の両親の事を」

ルドヴィカ「ああ。あるいは教えたのはルキオラと同じかもね。ま。いつかは必ずと思って用心してなかったら危なかったわねえ」

ルシタニア「…」

ルドヴィカ「ま。さっきルキオラにも言ったけど。もうじきマックリィが戻ってくる。どうするかはその時に考えようか」

ルシタニア「ま、まさか御母様。まさかルキエラまで」

ルドヴィカ「なんだい。これ以上ライバルが増えるのは嫌かい?」

ルシタニア「御母様!」

ルドヴィカ「そうそう。いっそルシアラも入れようか。あれにも育ての母としてルキエラの監督責任がある。それに」

ルシタニア「それに?」

ルドヴィカ「あれだけ仲間外れにしたら。次はあれがやらかすかもしれないしねえ」

ルシタニア「御母様…」

ルドヴィカ「改めて軽蔑するかい。流石はクレメンスの血だね。あれは確かにイイ男だったし、良い夫だったよ。だがあいにくと強さだけは無かった。もしそれがあったなら、あたしもこんな畜生親になんかなってなかったろうにね」

ルドヴィカ「…」

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