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ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 @
日時: 2022/10/25 05:37
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「これはこれは。パールパティ様」


エルヴィーラ家におけるジュリエットとマックリィの婚儀がようやく決定して、早くも当日。

庶子とはいえ、レナス家関連の婚儀としては、ミラージュ戦役の直前に行われた、カンタータ家でのフォルトゥーナとウェルキン以来。
当時とは比較にならない程の権勢を握ったレナス家だけに、政治的なデモンストレーションも兼ねて盛大にと行きたいところ。しかし未だに情勢が安定化しない中において、前回のように一族総出でエルヴィーラに渡るわけにも行かない。
よって最初はエルヴィーラで周辺中心の婚礼を行い、次にゴットリープで披露宴を行う、二段挙式が決まった。

周辺となれば、当然に西方四家としての他の三家が中心。
すなわちドゴール家、レナス本家、そしてサラミス家である。

まずドゴール家からは当主のネメシス。従者は親衛隊長のカディア。宮宰として、現地の離宮に滞在中の、新山麓朝女王シャーミーナの名代も兼ねる。
レナス本家からは当主代行にして山麓朝の大将軍であるクリエート。従者は参謀長のダリアナ。
そしてサラミス家からは当主のパールパティ。従者は従弟の譜代騎士セルシウス。

マックリィの異母姉兄である最初の二人は当然ながら、また一人の異母兄ケーニアスの三人正室の一人でもある、パールパティの存在もまた軽視出来ない。
先日までバーミアまで出向いており、そのまま直行で現地到着という多忙さである。

「…」

「どうしたんですか。セルシウス」

「いえ。従姉上も御苦労な事だと思っただけです」

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