ハーレムバスタード 第三章 不穏な平穏 C |
- 日時: 2022/10/23 10:00
- 名前: 陣
- 「何やってんのよ!?」
今にも腰を下ろそうとする寸前。激しく開けられる扉に続いて響く声。
「やっぱり! ライシュ! あんたって人は…」
激しく息を切らせながら、目を大きく怒らせているジュリエット。
それに対して。改めて下半身を履き直しながら。
「おやおや。やっとお出ましですか。我がエルヴィーラの若後家様」
「あんたって…まさかと思ったけど、子供の頃の隠れ家をそのまま使うなんて…」
「おやおや。そうだったっけ?」
相手の惚け顔にワナワナと肩に憤怒を滾らせるジュリエット。
「一体! 何のつもりなのよ!?」
「見りゃ分かるだろ。誰かさんが何もしないから、代わりに躾をしようってなあ。こんのサカリまくったエロガキ様によお」
目の前の二人の女性の応酬に目をパチクリさせているマックリィ。
「…」
それに対して、目を逸らしながら。
「あんたもあんたよ!! いつまでそんな格好してんの!?」
慌てて後から入ってくるエミリーたちメイド組。顔を赤らめながら、いそいそとマックリィの衣服を直す。
「さっさと! 早く!」
ジュリエットの催促を解し、そそくさと出ていく四人。
後に残される二人。
「ライシュ…」
色々と言いたいが、多過ぎてなかなか言葉が出てこないという感じのジュリエット。
それを見かねてか。
「フン。変な手出しをされたくなきゃ。ちゃんとしっかりあのガキを銜え込んでおけよ。おまえのナニでな」
「なんですってえ…」
「ハン。いい年していまさら生娘ぶりやがって。いい加減気付けよな。お前さんがいくら操立てした所で。アンドレイはもう帰っちゃ来ないって事をよ」
「…」
「さっさと忘れちまえ。あんな奴。そこまでしてくれるお前さんを置いて逝っちまった薄情者なんかよお」
「…」
「お涙頂戴なんてやってる暇は無えんだぞ! あのババアと同じに! エルヴィーラの本当の血も! もうおめえにしか無えんだからな!!」
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