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ハーレムバスタード  第三章 不穏な平穏 A
日時: 2022/10/18 23:17
名前:

「降りな! クソガキ!」

思い切り乱暴に放り出されるマックリィ。

「いたたた…」

痛みであちこちを押さえながら、周りを見回す。どうやら何処かの小屋に二人きりらしい。

その頭に上から響く仇っぽい声。

「なんだい。安心しな。ここにはおまえとあたいの二人だけだよ。他の連中にも声を掛けたんだけどさ。どいつもこいつも、いざとなったら怖じ気づきやがって」

「…」

「おまえを前にマワシ潰した連中。死ぬまで罵るのを止めなかったってな。まったく。思い切り連中に見習わせてやりたいよ」

「…」

「なんだよ。その目は。哀れみでも誘おうってのかい。ふざけんじゃねえ。おまえがどんな目に会っていようが知った事か。こっちはおまえのおかげで迷惑してんだよ。いろいろとな」

「…」

「城の色豚どもをおまえがいくらコマそうと知ったことじゃねえ。だが何も知らねえガキどもまで手なずけようとされちゃもう黙っちゃいられねえんだよ」

「…」

「なんだよ。怯えてねえのか? また前みたいな目に会わされるとは思わねえのか? それともこっちが一人なんで舐めてやがんのか。おい!」

「…?」

「ふざけやがって! おい! こっちをよく見ろ!」

襟元を掴まれ、思い切り持ち上げられるマックリィ。足がブラブラと宙に浮く。

「てめえがこうされる理由が分かってるのかって…聞いてんだよお!?」

当惑気な顔をしながら、やがて思い当たったような表情を浮かべるマックリィ。

「…シたいの? 僕と」

しばし止める手。やがてワナワナと震わせながら。

「ふざけんじゃあねええええええ!!」

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