ハーレムバスタード 第二章 招かざる婿殿 I |
- 日時: 2022/10/17 17:57
- 名前: 陣
- (おい。聞いたか。あのドゴールのババア。遂にサラミスのメイドまで引き込みやがったらしいぞ)
(あの女狐。自分だけだと槍玉に上げられ易いから共犯者を作ったか)
(それもサラミスとはな。レナス家としてはますますクレームし難いわけか)
(ああ。例のバーミアの嫡次男の事もあるしな)
(それにしても。どうしてジュリエット様の母上の御実家でもある、サラミス家はこのエルヴィーラに介入しない。なぜあのドゴールのババアにこのエルヴィーラを差配させるんだ)
(あそこの差配をやってるのは先代当主の大奥方だからな。それもバーミアの先王の娘で現女王の伯母だ。単にサラミス家だけでなく、この西方四家のバランスも考えてるんだろう)
(今のところはあのババアにエルヴィーラを仕切らせとくのが、サラミス家の利益にもなると考えてるわけか)
(まあそうだな。ジュリエット様の母上は、自分の娘でもないし)
(そう言えばジュリエット様の御祖母様も未亡人だったか)
(ただの未亡人じゃない。先代の当主に略奪されたんだ。その上で元の夫は殺されている)
(非道い話だな。でも俺の聞いた話だと、先代の当主は温厚で勤勉な名領主だったと聞くぞ)
(そこは分からん。このエルヴィーラ家も加わった戦で、突然人間が変わったらしい。あの大奥方が正室に入った時だ)
(噂じゃ横暴な本物を殺して、偽物に摩り替えたともいうがな。おい。どうしたライシュ?)
(くだらない)
(なに)
(理由なんかどうだっていいよ。あたいはただこのエルヴィーラが他所者に引っ掻き回されるのが気に入らないってだけさ)
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