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ハーレムバスタード  第二章 招かざる婿殿 D
日時: 2022/10/13 07:27
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「ああ! ビオラ様って! カッコイイ!!」

エルヴィーラ家のメイドたちが二人以上集まると始まる、最近お決まりの話題。

「ちょっとアナタ。この間までライシュ様の事をそう言ってなかった?」

「あらライシュ様も素敵よ。ビオラ様のクールな魅力が来てから、ライシュ様のワイルドな魅力もまた一段!」

「そうそう! ああ! エルヴィーラ家にお仕えしていてほんとに良かった!」

「あとビオラ様って、あのさりげなくサドっぽいとこもまた良いのよねえ」

「それもマックリィ様御専門の」

「そうそう。マックリィ様がメイドだけじゃなく、家臣の皆様の御令嬢方の誘いにも乗ろうとすると、思い切り引っ叩くとことかもう最高!」

「他の方々には弦を弾くだけなのに。マックリィ様だけはいつもいきなりの思いっ切りなのよねえ」

「やっぱり。いつも見てるだけなのが欲求不満なのかしら」

「でも。別に奏でられる曲にはそんな感じは無いわよ。いつもムード満点で」

「だからよ。尚更なんじゃない」

「うう。マックリィ様に抱かれるのも良いけど。時にはビオラ様が抱かれるのも見たいわあ」

「あたしはビオラ様にも抱かれたいなあ」

「分かる分かる」

「それにしても。一番肝心のジュリエット様はどうして自分で御相手なさらないのかしら?」

「正式な婚儀まで待ってるんじゃないの? 生真面目な御方だから」

「それともやっぱり忘れられないのかしら。アンドレイ様の事」

「とても御仲がよろしかったものねえ」

「そうそう。お似合いってのは、あの御二人のためにあるような言葉だったわよねえ」

「そういえば。ライシュ様もアンドレイ様の事が好きだったんじゃなかったっけ」

「ほら。ジュリエット様とは幼馴染の大の御親友だから」

「ああ。なんてロマンスな悲劇なのかしら」

「そう言えばジュスチーヌ様だけど。マックリィ様の事を『坊や』って呼んでるわよね」

「そりゃ今度の場合、最初に大奥様なジュスチーヌ様の御養子に入られて。その上での婚儀だもの」

「確かジュスチーヌ様の亡くなられた御子息、ジュリウス様と同じ年の生まれと聞いた事もあるわよ」

「ああ。確かにそのくらいよね」

「でも。大奥様のマックリィ様を見る目って、ただ息子を見るって目に見えないわ。まるで舌舐めずりしてるみたいだし」

「なによ。養母子での関係なんて珍しくもない」

「そうそう。御二方の一番兄上でラージングラードに入られたサハウエイ様もそうだと聞くわね」

「アンドレイ様も関係を疑われてたわよね。二人だけの時も結構あったし」

「例えそうでも仕方ないんじゃないの。御実家からはジュスチーヌ様とも仲良くやれと言われてたんだろうし」

「アンドレイ様は御実家のドゴール家で亡くなられた弟御様と同じくらいだったそうよね」

「ああ。あの乗っ取り当主の婚約者の」

「だから。その仕返しだって噂もあるのよね。アンドレイ様の件」

「シ! それ以上は言っちゃだめ」

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