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ハーレムバスタード  第二章 招かざる婿殿 B
日時: 2022/10/10 12:15
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「ねえ。坊や」

エルヴィーラ家における初の晩餐。

正装で互いに向き合う女主人と新婿。互いにナイフとフォークを動かしながら。やがて。

「エミリーを気に入ってくれたみたいね」

「うん。可愛かった」

その互いの斜め横に座る、この家の若後家と新婿の従者。前者は思い切り顔を顰め、後者は何もなかったような平然。

部屋の隅には服を直したばかりのメイドが立つ。彼女に対して向けられる同情と憐憫、そして羨望と嫉妬の視線。それらを浴び、落ち着かない感じで下半身をモジモジさせている。

その様子を見ながら、妖艶に微笑む女主人。

「そお。嬉しいわ」


離れた場所で様々に囁かれる会話。

(おい。聞いたか。今度の新婿殿。早速メイドのエミリーに手を付けたらしいぞ)

(なに。さっき挨拶したばかりでもうか。手が早いにも程がある)

(エミリーはジュスチーヌ様の亡くなられた御子息の幼馴染のお気に入りだった。それを知ってたのか)

(むしろジュスチーヌ様だ。エミリーを差し向けた事はそうなってもおかしくないって事だろう。相手はあの悪名高い「聖なる汚物」だぞ。まあいささか早過ぎかもだが)

(一番気になるのはあの従者だ。止めたりしなかったのか)

(あるいはレナス家としての先制パンチかもな。舐めたらただでは済まんぞとか)

(ああ。前のアンドルー殿が入ってきた時のレナス家とは違う。権力に物を言わせて、いざとなれば無理難題も吹っ掛けてきそうだ)

(その最初が、あの「汚物」の押し込みか)

(いや。あれについてはむしろジュスチーヌ様から名指ししたとも聞くぞ)

(もう。どっちがどっちなんだか)

(いずれにしても。政治は既に始まってるって事だな)

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Re: ハーレムバスタード  第二章 招かざる婿殿 B ( No.1 )
日時: 2022/10/10 14:08
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

さてさて、マックリィがどこまで政治的に動く少年なのか、これからが見物ですね。
Re: ハーレムバスタード  第二章 招かざる婿殿 B ( No.2 )
日時: 2022/10/10 15:36
名前:

あるいはお気に召さなかったかもしれませんが、聖汚物コンビってのはこういう奴らなんだって意味で不可欠って所でしょうか。

いわば『鬼骨』冒頭のセリューン主従みたいな感じで。

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