ハーレムバスタード 第二章 招かざる婿殿 A |
- 日時: 2022/10/11 19:50
- 名前: 陣
- 「準備は出来ております」
二人が通された部屋。そこはついこの間まで前任者のアンドレイが使っていた大部屋。ここは本部屋で、互いに繋がれた隣の小部屋がビオラの部屋となる。 基本的にはマックリィのサイズに合わせるため、一部の調度品を変えただけで、基本的には当時のまま。但し一点だけ大きく変えられた部分がある。 それは婿入り前にレナス家、いやバージゼルから出された唯一の要求。 それは並べられたダブルとシングルの二つのベッド。
「では。あと二刻余りで夕食になります。その時にはまた」
細々とした説明をして、部屋から出ようとするエミリー。その時。
「待って」
立ち止まり、訝しげに少年の前に進み出るメイド。 それに対し、ダブルベットの横に腰掛けながら、ジッと全身を舐め回すかのように見詰める少年。 今までの人生で初めて見るような美少年に見詰められ、心臓がドキドキしてくるメイド。確か以前に来た時にも会ってるはずだが、あの時とはまるで雰囲気が違う。
やがて。
「脱いで」
「え…?」
何か聞き間違ったかのように、慌てて表情を変えるメイド。 それに対し事も無げに笑顔で返す少年。いかにも天真爛漫に。
「だから脱いでよ。シたくなっちゃったんだ。僕」
「そ、そんな!」
慌てて傍らの従者を見る。それに対し柔和な笑みを返しながら。
「私は。違うの」
「お! おふざけにならないでください!」
慌てて部屋から飛び出そうとするメイド! その前に素早く立ち塞がる従者! ギロリとした強烈な一瞥!
「あ…あ…」
一瞬にして力が抜け、ヘナヘナとその場に膝を着く。頭がガックリと垂れる。
「来て」
その背後から掛けられる甘い声。まるで天国からの誘いのように。
「はい…」
フラフラと立ち上がり、向きを変え、ダブルベッドに腰掛けた少年の前に立つ。
「脱いで」
「はい…」
スルスルと服を自ら取り始めるメイド。いかにも羞恥に耐えるように目を瞑り、身体を震わす。 その裸身をシゲシゲと眺めた後。次の一言を発する少年。
「脱がして」
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