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ハーレムバスタード  第一章 レナスの聖汚物 C
日時: 2022/10/04 08:09
名前:

「ケーニアス…」

その名を口にして、それぞれに苦虫を噛み潰す、少なくとも半数。

「あの底無しの愚弟めが…」

特に歯ぎしりを強める異母姉ネメシス。

ケーニアス。三姉妹の次女オーフェンとバージゼルの間のレナス家の嫡次男。ミラージュ戦役の際、魔法学園時代での人脈もあって、レナス家の代表としてバーミアに派遣。

その期間中、祖父オグミオスの仇敵として歴史的に名高いダイストの孫娘にして、魔法学園での知己でもあるセライナとの縁組が持ち上がり、新時代に相応しいとの歓迎ムードが盛り上がる。
それに対し、オグミオスの副官でもあったランゴバルトがケーニアスは孫娘エリンシアの婿だと猛反発。更には雲山朝とレナス家の仲介を果たしたサラミス家の当主パールパティも名乗りを上げるという大混戦。

その中で最終的に出たのは、三家全部にケーニアスが婿入りするという妥協案。姉妹三人同時に婿入りした例があるのだから、そのくらいは異に値しないという理屈。
ちなみにそのアイディアを出したと言われるのは、未だサラミスで健在の、パールパティの祖母にして雲山朝の先王ギャンブレーの娘マルガリータ。
一番重い立場の物が出した妥協案故に、最初は怒ったランゴバルトも納得せざるを得ず、こちらも前例の無い三家婿入りが実現。取り敢えずはバーミアのカレル屋敷での共同生活が始まる事となる。

そして雲山朝との手切れと共に、当然に引き上げ指示が送られたものの、何故かそのまま現地に留まり、帰還に応じぬまま。
当然に大騒ぎとなり、その真意が図られたが、本人として帰る気がないという返事ばかり。
あるいは魔法学園時代にセライナに何かされたのではないかという憶測もあったが、ケーニアスの性格からして、ますます重きを成したレナス家において、嫡兄クリエートに何かあった場合の後継の立場から逃げたとも考えられた。

それが本心なら尚更に許せぬとばかりに、何度となく試みられたレナス家としての潜入奪還作戦。
しかし表裏の何重も含めバーミアの防御はあまりにも鉄壁。最後は星魅の魔女とすら呼ばれたオーフェン自身までも挑むが、あのヴラッドヴェインでしか破った事が無いとすら呼ばれる防御の前に、これ以上の犠牲は出せぬと遂に断念。

当然、同時に気になるのはパールパティとエリンシアの身柄だが、そちらも別に拘束されることなく、実家との行き来は自由の扱い。ただしエリンシアの場合、戻ればランゴバルトに拘束されかねないと、こちらもまた帰宅を拒否。
よって自由に往来しているのはパールパティだけだが、無理に奪還作戦に協力させて危害を及ぼせばこれも大きな問題となるため、あくまで連絡役としての役割に留めているのが現状である。

「あいつめ…いっそあちらの娘を連れ出してくれたなら、むしろ褒めてやるものを…」

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Re: ハーレムバスタード  第一章 レナスの聖汚物 C ( No.1 )
日時: 2022/10/04 04:05
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

ケーニアス(笑)。さすがケーニアスとしか(笑)。そりゃ一度バーミアに住んだらゴットリープには帰りたくないよなあ。そしてマルガリータ。まだ健在。彼女が何も考えずに三家入婿を考えたとも思えず……。
Re: ハーレムバスタード  第一章 レナスの聖汚物 C ( No.2 )
日時: 2022/10/04 06:49
名前:

あるいはギャンブレーでさえまだ生きてるかもしれませんからね。

ケーニアスについては、どれもあり得るって感じでしょうか。

並の人間ならレナス家の権力を狙うだろうが、あいつの場合はむしろ逃げ出しかねないで。

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