ハーレムトライアングル 第六章 時代を決めた男 C |
- 日時: 2022/09/20 22:23
- 名前: 陣
- 「うわーん! ロザンナ! ロザンナー!!」
リオレイア指揮のバーミア近衛軍団の猛攻。そしてカルシファー率いるベニーシェ軍団の本格参戦もあって、遂に後退を始めたメロディア本軍。
その後退を支援すべく、それまでラージングラード城に備えていたミラージュ本軍もそちらに動いた事で、城への通路も回復。 それによって疲労困憊の満身創痍となった、オレアンダー軍とカルデナス隊も続々と帰城し、城内は遺体の収容と負傷者の手当で大わらわ。
同性の恋人の大火傷に錯乱し、傍を離れようとしない女城主。それに代わり各種の手配に奮戦奔走するその夫君と異母妹。 これにより彼らへの現地の信頼も一層に増す事となるだろう。
さしものオレアンダーの雌獅子も、水を軽く浴びるやそのまま爆睡。その相手をさせられていた城主夫君の兄もそのまま寝室に運び込まれる有様。
何はともあれ、ラージングラードにとっての戦いは終わった。
一方、バーミアとベニーシェの両軍団に押し捲られ続け、遂にはラージングラード平野の出口まで追い込まれる山麓朝側。
「撤退!? 馬鹿な! 戦いはこれからだぞ! 陣形を立て直し、改めて決戦だ!!」
周囲の進言に対し、あくまで撤退を肯んじない女王。そこにいつのまにか戻ってきた夫君の宰相。
「シュナイゼル! 今までどこに!?」
「ゲルダ!」
「は!」
直属の部下に、いきなり妻女の女王を縛り上げさせるシュナイゼル。
「な、なんの真似だ! シュナイゼル!!」
「各方面に連絡! ミラージュ軍に殿軍を依頼し、ゴットリープに撤退! これは宰相命令である!!」
「はは!」
たちどころに各方面に動き出す周囲。それに逆上する女王。
「勝手な事をー!! はなせー! この役立たずどもー!! 帰ったら絶対おまえら死刑にしてやるからなー!!」
「いやいや。仰せ全くのごもっとも。どうかその後はもっと政治的に役立つ相手と御再婚されてください」
「ウガー!!」
|
|