ハーレムトライアングル 第六章 時代を決めた男 @ |
- 日時: 2022/09/16 08:10
- 名前: 陣
- 「お、おまえら…大丈夫か…」
凄まじい閃光と轟音がようやく収まるも、まだまだ粉塵と砂塵が静まらない高台の上。
「だ、大丈夫です…」
「なんとか…」
頭を叩きながらなんとか身を起こすカルデナス。 その視点に映る倒れた体。
「ロザンナ!?」
必死で駆け寄り起こすが、他を庇うように正面から爆風を受けた身体の前面は無残に焼け焦げている。
「ロザンナ! しっかりしろロザンナ! エミヤー!!」
「はいな〜」
爆風除けにマントを包ませながら、ヨロヨロと駆け寄るエミヤ。 すかさず治療用の魔法宝珠を取り出し、ロザンナの火傷にあてがう。
「しっかりするんよ。ロザンナさん。せっかくの美人が台無しなんよ」
「大丈夫か?」
「はいな。火傷はひどいも、骨とかは大丈夫」
「よかった。すまないが。ロザンナを頼むぞ」
「はいな。で。大将は?」
「決まってる!!」
思い切り身を起こし、周囲を見回すカルデナス!!
それを見上げる周囲の目! 目! 目!
「おい! 分かってるな!! お前ら!!」
オオッとばかりに起き上がる周囲!!
「俺たちの向かうところは!?」
「決まってます!」
「あのどこまでもふざけたクソアマ!!」
「今度の今度こそ!」
「ぶっ殺せー!!」
号令を待つまでもなく、馬に乗り、武器を構え、一気に走り出す一群!
いまだ爆煙が収まらぬ中、それを巻き込むかのように動き出す巨大な竜巻!! まさに黒の大雪崩れ!! 地面を揺るがす大地響き!!
山は。動いた。 かくて。この戦場における勝敗は決まった。 そして。この男は後世の歴史家にこう呼ばれる事になる。
「時代を決めた男」。と。
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