ハーレムトライアングル 第五章 運命の五秒間 K |
- 日時: 2022/08/21 21:54
- 名前: 陣
- 「やれやれ。こんなとこまで来ちゃったな」
様々な思惑を絡めつつ、戦いは続く。
ラージングラード城の解囲後の戦いの推移は、次第にバーミアとゴットリープの互いの主力同士の戦いに移行。
鶴翼に開いた雲山朝側に対し、魚鱗の態勢に戦力を集中させ、正面突破の姿勢を図らんとする山麓朝側。
戦いの最中、その流れの中で、両軍の側面の小山によじ登る一隊。
「骨が折れるやねえ。ガネーシャさんとはずいぶんと離されちゃったし」
「いえ。むしろカルシファー様の計算通り。ここからならゴットリープ勢を側面から牽制できます」
「さすがロザンナさんやねえ」
「親父の計算ねえ…」
改めて横目で信頼する幕僚の様子を伺う。その先には相変わらずの実直な眼鏡顔。
(ロザンナは確かに俺たちとの関係も深い。しかしその第一の忠誠は家族の仇を取ってくれた親父に対して向けられてるはずだ。甘えるわけにはいかない)
その眼下目掛けて突き進むメロディアの直属軍。
「大丈夫なの。ゲルダ」
「宰相閣下からの連絡です。とにかく直進してバーミア軍の本営を突くように。脇目を振らずにと」
「よし。ギャナックめ。ここで止めを刺してやる!!」
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