トップページ > 過去ログ > 記事閲覧
ハーレムトライアングル  プロローグ
日時: 2022/09/30 08:27
名前:

「マズイ。迷ってしまったかな」

初陣だと思って気負い、少し深入りし過ぎてしまったようだ。

仙樹歴920年。

このゴットリープは平地という事もあってか、山間のバーミアよりも広くていささか勝手が違う。まだあちこちに敵の残党が残ってるようだから用心しなければ。

「ん」

街角の離れに一人佇む少年がいた。この街の子ではない。子供だが鎧を着ている。明らかにこちらの友軍の関係者だ。

(仕方ない)

馬を近付け、覗き込む。

「おい。どうした。おまえ?」

馬上の相手を見上げる子供。栗色の髪が目を引いて来る。

「あ。ごめんなさい。ロザンナとはぐれちゃって」

「なんだ。お前も迷子か。まあ乗れ」

馬に乗せて前の方で抱える形になる。

「しっかり捕まってろよ」

「うん」

戦場の街を駆け抜ける二人。時折に出てくる相手を片手の槍で払い除けながら進む。

時には手綱を口に咥え、奇術のように槍を剣に持ち替えたりする同伴者にいつしか感嘆する子供。

「カッコイイ! ボクの姉さんたちよりもスゴイや!!」

「ふふ。そうか」

悪い気はしない。しばし走って味方の陣所にまで辿り着く。

「ふう。ここまでくれば大丈夫」

「ありがとう」

初々しい素直な顔。

(な、なんなんだ。この気持ちは…)

そのまま降りて陣所まで歩き出そうとする子供。

「お、おい。ちょっと待て」

「え?」

振り向いた顔に顔を寄せる。あどけなさの残る顔。そのまま引き込まれるように唇を合わせる。

「え…」

驚いた表情を浮かべる子供。そのまま反射的に逃げようとするが、その腕を掴んで引き寄せる。

「た、たすけ…」

その口を手で塞ぎ、しっかり抱える。

「バカ! 私が助けたんだぞ。い、いいだろ?」

「え?」

そのまま片手で馬を結び、手近の家屋の中に引き入れる。

床の上にそのまま押し倒し、小さな鎧を剥ぎ取り、肌着をむしり取る。恐怖で怯え切ってる子供。その無垢な逸物を剥き出しにさせ、そのままに口に含む。

「あ、あ…」

やがてそれは次第に大きくなり、相手の口の中に白い物を吐き出す。それをそのまま飲み干しながら、その戸惑った顔に確信する。

(ふふ。これが男の精通って奴か)

髪の色のせいか、なんとなく栗みたいな味にも感じてくる。

何か済まなさそうな顔をしてる相手に諧謔心を起こす。

「今度はそっちの番だぞ」

今度は自分の着ている物を脱ごうとするが。


「あれ。これはガネーシャ様の馬だ。おーい。姫様が戻られたらしいぞー!」


外が慌ただしくなった。このままでは見つかる。

「悪いな。後は自分で帰れ」

急いで身繕いをして飛び出す。

「私はここだ」


また夢で見た。

あれから十年余り。

あの時の子供の名前はうっかりして聞きそびれてしまった。

あれ以来、戦の度に男を誘うようになったが、処女をくれてやった相手の事はさっぱり憶えていない。

うっすら憶えているのはあの時の子供だけだ。

栗色の髪の少年。

あのまま無事でいるのなら。いつかまた会いたいものだ。

Page: 1 |

トライアングルIF もし若獅子が子狼に会っていたら ( No.1 )
日時: 2022/09/29 22:19
名前:

ガネーシャの飛躍もあって、これを作品の正式プロローグとします。

ホームブログでも推敲版を掲載しますので、少しお待ちください。
Re: ハーレムトライアングル プロローグ ( No.2 )
日時: 2022/09/29 22:19
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

推敲版、楽しみにしています!
Re: ハーレムトライアングル  プロローグ ( No.3 )
日時: 2022/10/01 22:10
名前:

同時並行で『プリズナー』以後を舞台にした『ハーレムバスタード』を開始します。

こちらは日常系で座興的ですもので、ノンビリやらさせていただきます。

Page: 1 |